研究者ら島トウガラシ調査 酢漬け調味料の料理も堪能 奄美大島

2025年04月27日

地域

栄一美さん(右)が栽培しているトウガラシの説明を聞く研究者たち=18日、宇検村(提供写真)

鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センターとトウガラシの共同研究を進める研究者3人が17~19日、奄美大島を訪れた。島内での栽培や利用方法の調査が目的。18日は同センター山本宗立准教授や一般社団法人巡めぐる恵めぐる代表理事の新元一文さんの案内で、宇検村の平田を訪れ、畑で栽培される島のトウガラシを観察したほか、地元住民宅で酢漬けの自家製調味料を使った料理に舌鼓を打った。

 

来島したのは近畿大学農学部の小枝壮太准教授、山形大学農学部の鍋島朋之准教授、京都大学農学部の近藤文哉特別研究員。民族植物学が専門で3人と共同研究を行う山本准教授の呼び掛けに応じた。3人が奄美を訪れるのは初めてという。

 

宇検村では栄一美さんのタンカン畑で栽培されているトウガラシを見学した後、益英勝さん宅でトウガラシの果実を酢に漬けた自家製調味料を使った料理を堪能。うどんに掛けたり、刺し身に付けたりしてその味を楽しんだ。新元さんの島唄演奏もあった。

 

キダチトウガラシ(方言名クシュ)の環境耐性などを研究する近藤特別研究員は「東南アジアでは鳥が種を運ぶなどして勝手に生えることも多いが、奄美大島では栽培が比較的管理されている印象を持った。(酢漬けの調味料は)酢の酸味とトウガラシの辛味が絶妙な風味を生み出していておいしかった。毎年実験で栽培したトウガラシが余るので、今後は酢漬けにして普段の食事に使いたい」と話した。

 

3人は宇検村のほか、瀬戸内町の畑でもトウガラシの栽培状況を調査した。

益英勝さん宅で楽しんだトウガラシの酢漬け(提供写真)