奄美地方、梅雨入り 71年ぶりに九州南部より遅く

2025年05月20日

梅雨期を彩るゲットウの花と、傘を差して下校する小学生たち=19日、奄美市名瀬

鹿児島地方気象台は19日、奄美地方が梅雨入りしたとみられると発表した。平年より7日遅く、昨年より2日早い。九州南部は全国で最も早く16日に梅雨入りしたとみられ、奄美が九州南部より遅く梅雨入りするのは、1954年以来71年ぶり。今後1週間、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多くなる見込み。

 

19日、日中の奄美地方はおおむね雨となり、強く降る時間もあった。奄美市名瀬の市街地では雨粒にぬれたゲットウの花が、傘を差して下校する小学生らを見守るように咲いていた。

 

同市名瀬の山あいでは、奄美大島だけに生息する希少種のアマミイシカワガエルが排水管から顔をのぞかせた。カエルを見掛けた70代男性は「以前は不自然な色をしたカエルだな、と思っていたが最近はかわいく見えてきた」と、雨の季節を象徴するカエルの姿に表情を緩めた。

 

奄美地方では20日にかけ梅雨前線が停滞する見込みで、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込む影響で大気の状態が非常に不安定になっている。気象庁は局地的に積乱雲が発達し、落雷や竜巻などの激しい突風の恐れがあるとして注意を呼び掛けている。

 

奄美地方の梅雨明けは平年が6月29日ごろで、昨年は6月22日ごろ。名瀬測候所によると、昨年の梅雨期間(5月21日~6月21日)の降水量は奄美市名瀬が627・5ミリ、沖永良部島が541・5ミリ。