鯨ウオッチ可能性探る クジラ、イルカシンポジウム 奄美市名瀬

ホエールウオッチングの事業者や研究者が意見を交わしたシンポジウム=5日、奄美市名瀬

「奄美のクジラ・イルカ2021―創造する未来」と題したシンポジウムが5日夜、奄美市名瀬の市民交流センターであった。奄美近海で見られるザトウクジラやミナミハンドウイルカの生息状況や人気を集めるホエールウオッチングの動向について奄美内外の研究者らが報告。地元事業者を交えて討論し、鯨類(クジラやイルカの仲間の総称)の保全策や今後の活用の可能性を探った。

 

奄美クジラ・イルカ協会(興克樹会長)などが主催。奄美の鯨類に関するシンポジウムは瀬戸内町で2012年の初開催以来2回目。約50人が来場した。

 

興会長と小林希実さん(沖縄美ら島財団総合研究センター)、船坂徳子さん(三重大学)、興海佑さん(帝京科学大学)、森恭一さん(同)が調査、研究の成果を報告した。

 

興会長は奄美大島でのホエールウオッチングの歩みを紹介。同島では冬季に来遊するザトウクジラを新たな観光資源にしようと、南部のダイビング事業者らが06年に情報収集を始め、13年に同協会が発足。クジラを間近で観察するツアーは年々人気が高まり、コロナ前の20年シーズンは参加者が過去最多の3684人に達した。

 

奄美近海で冬場以外にも見られるマッコウクジラやミナミハンドウイルカの生息状況調査など新たな取り組みも紹介し、「年間を通したウオッチングの可能性が広がる」と今後の展開に期待を示した。

 

ザトウクジラの回遊ルートに関する最新の研究や、奄美近海のミナミハンドウイルカの生息状況について報告があったほか、森さんはクジラへのストレスやツアー参加者数の停滞など、国内外でのホエールウオッチングの課題を挙げ、ガイドの質の向上や適正なルールの運用を提案したほか、「今から盛り立てていくために、他の地域との差別化が必要」と指摘した。

 

奄美大島、徳之島の事業者を交えた討論があり、特に人気が高く、リピーターも多いホエールスイムの安全対策などについて意見を交わした。