島の安寧願う 与論町で十五夜踊

2020年12月01日

芸能・文化

一番組が奉納した「三者囃子」=29日、与論町の地主神社

一番組が奉納した「三者囃子」=29日、与論町の地主神社

  国の重要無形民俗文化財「与論十五夜踊」が旧暦10月15日に当たる29日、与論町の地主(とこぬし)神社境内で奉納された。11月に確認された新型コロナウイルス感染症2例目のクラスター(感染者集団)発生後初の祭り。関係者らで時間を短縮して行い、島の安寧や五穀豊穣(ほうじょう)を願った。

 

 言い伝えによると、与論十五夜踊は1561(永禄4)年、与論領主が島民慰安のために創(つく)らせたのが始まりとされる。踊りは1番組と2番組で構成され、室町時代の狂言風の舞踊や、琉球風の舞踊が見られる。毎年旧暦3、8、10月の各15日に奉納される。

 

 この日は踊り手合同の「雨賜(あみたぼ)り」の後、「一度いふて」(二番組)、「三者囃子(さんばすう)」(一番組)と交互に踊りを奉納した。

 

 祭主の山元宗町長はあいさつで「今年、島では新型コロナのクラスターが2回発生し大変な影響を受けたが、こうして十五夜踊ができることを心より喜び感謝したい。島中安穏、五穀豊穣を祈り、疫病を退散させるその意において、踊りによって新型コロナが退散し、ますますわが島が発展していくように、心一つに皆で頑張っていきたい」と力を込めた。