「生きた化石」生態を紹介 アマミノクロウサギパネル展 平川動物公園
2018年05月12日
【鹿児島総局】奄美大島と徳之島にのみ生息し、「生きた化石」ともいわれるアマミノクロウサギ。その生態を学べるパネル展が鹿児島市の平川動物公園で開催中だ。ノネコ(野生化した猫)やマングースに襲われている問題にも触れ、保護活動の現状を紹介した。
平川動物公園はアマミノクロウサギの生態を調べ、繁殖させるため1980年に10頭を飼い始めた。85年、飼育下の繁殖に初めて成功。その後は飼育が途絶えていたが、2015年から負傷したウサギを保護している。
巣穴を掘るため長く頑丈な爪、間近で見ると茶色と灰色が混ざった毛…。パーツごとに特徴を解説し、繁殖に成功した子ウサギの写真も飾った。ノネコに生息環境を脅かされている問題に理解を深めてもらおうと、ペットの飼育ルールを伝えた。
園内の動物病院では動物にかまれてけがをし、宇検村で昨年3月に保護されたウサギを治療している。学芸員の落合祐子さんは「受け入れた動物が野生に復帰できるよう後押しするのも動物園の役割。ウサギがけがを負った背景を考えるきっかけにもなればうれしい」と話している。
平川動物公園で19日、ゆいの島どうぶつ病院(奄美市名瀬)の伊藤圭子院長が「しまの獣医さん~野生動物を守る取り組み~」と題して講演する。同園で治療中のアマミノクロウサギ「ケンタ」を限定で公開。飼育展示課の落合晋作さんが園での暮らしを紹介する。
午前11時から正午まで。問い合わせは電話099(261)2326同園。