クロウサギの生態知ろう 宇検のやけうちっ子世界自然遺産博士講座 大和村で

2025年05月25日

アマミノクロウサギが映るライブカメラの映像を確認する児童ら=24日、大和村

宇検村の2025年度「やけうちっ子環境学習世界自然遺産博士講座」の初回講座が24日、大和村思勝の「アマミノクロウサギミュージアムQuruGuru(くるぐる)」で開かれた。宇検村内の児童生徒21人と保護者らが参加。座学や観察を通じて、アマミノクロウサギの生態や保護について理解を深めた。

 

講座は奄美の自然や生物、歴史、文化などが対象で、持続可能な社会のつくり手育成が目的。21年に始まり、今年度は5回開講予定。同日は奄美市立奄美博物館の平城達哉学芸員(33)と、くるぐるの豊田英人獣医師(41)が講師を務めた。

 

平城さんはアマミノクロウサギをはじめとする固有種の保護やロードキル(交通事故死)対策などを沖縄の事例も含めて紹介。豊田さんはクロウサギの歴史や特徴を伝える動画を流した後、けがをしたクロウサギの治療や生態研究を行う施設の目的などを説明した。

 

児童らは座学後、くるぐるスタッフの案内で施設内を見学。クロウサギの生活を疑似体験できる、くるぐるの森では「ハブがいる」「カエルだ」などと大はしゃぎ。昼夜が逆転した屋内飼育場「よるにわ」では、宇検村田検で17年に保護された「ケンタ」が草を食べたり、動き回ったりする様子をじっくりと観察していた。

 

名柄小6年の廣瀬羽奏(わかな)さん(11)は「クロウサギの生態や今の問題を知ることができた。クロウサギを森で見たことはあるが、動き回る姿を見たのは初めて」と話した。

 

平城さんは「掘り下げた内容が多いこの講座で今後も学習を広げてほしい」と期待。豊田さんは「かわいいだけではなく、クロウサギがどんな生き物かを間近で感じ、ロードキルやノネコの問題についても学んでもらいたい」と語った。