ガイド技術の向上へ 徳之島 専門家講師に植物学ぶ

2022年06月16日

徳之島に自生する植物の細かい特徴について解説する鈴木教授=11日、伊仙町の糸木名小

徳之島で環境保全活動に取り組む「徳之島虹の会」主催のガイド研修が11日、伊仙町であった。島内の認定エコツアーガイドや初期ガイド研修受講者など計17人が参加。鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センターの鈴木英治特任教授(69)を講師に島内の植物について学び、ガイドとしての知識と能力に磨きを掛けた。

 

研修は島内ガイドのスキルアップやガイド人口の増加が狙い。虹の会は今年度、セブンイレブン記念財団の助成を活用して小中高生向けの出前授業の実施を予定しており、講師を務める専門家の来島に合わせて研修を実施する。今回の研修は第1回で11月までに計12回の研修を予定している。

 

研修は伊仙町の糸木名小学校体育館であった。鈴木教授の指導で、島内に自生している植物について学んだほか、同町の阿権浜海岸沿いを散策。ニッケイとヤブニッケイ、ゲットウとクマタケランなど良く似た植物を見分けるポイントなどを学んだ。

 

娘3人を連れて参加した寛山一郎さん(52)は「以前、鈴木先生の研修に参加してとても勉強になったので今回も参加した。一見は葉に見えるが実は葉柄だったり茎だったりと植物の不思議さを学べた。認定ガイドを目指しているので、他の研修にも参加して徳之島についての知識を深めたい」と笑顔を見せた。

 

鈴木教授は「参加者皆が熱心でいろいろな知識を伝えることができた」と研修を振り返り、「徳之島には身近に話が尽きないほど面白い植物がたくさんある。ガイドとしての知識を身に付けて世界自然遺産の島の魅力を多くの人に伝えてほしい」と期待した。

 

虹の会事務局の美延睦美さんは「座学だけでなく実際に専門家と実地を巡って学ぶことは貴重な体験。ガイドとしての知識を深めるだけでなく、普及啓発や保護など幅広く活躍できる人材を育てたい」と研修の意義を強調した。