ハブがトゲネズミ捕食? 迫力シーン、住民が撮影 瀬戸内町

2022年10月06日

アマミトゲネズミとみられる動物を捕食するハブ=1日午後8時ごろ、瀬戸内町(山口さんが撮影した動画より引用)

1日午後8時ごろ、瀬戸内町内の林道で奄美大島固有の絶滅危惧種、アマミトゲネズミとみられる動物を捕食するハブが目撃された。体長約10㌢の獲物を5分ほどで丸飲み。撮影者がインターネット上で紹介すると「すごい」「迫力ありすぎ」など反響があった。

 

撮影者は同町古仁屋でゲストハウス「昭和荘」を営む山口直美さん(42)。パートナーでエコツアーガイドの香山武照さん(54)と自然観察に出掛けるのが日課となっている。

 

この日も2人、午後7時半ごろから林道をドライブ。地面に落ちた木の実を探し拾い回るアマミトゲネズミが「いつになく多かった」(山口さん)。そう感じていると、沿道のがけ下で体長1・5㍍ほどのハブが1匹、何かを食べていた。

 

車から降りて近付き、捕食されている生き物を見ると、特徴的な足や毛並みなどからアマミトゲネズミだと分かった。「衝撃的。これが自然界か」と山口さん。ガイド歴15年の香山さんも「カエルが捕食されているのは見掛けるが、哺乳類は初めて見た」と驚いた。

 

アマミトゲネズミは頭胴長9~16㌢。背面は主に黒褐色で黄褐色が混じり、全身に2㌢ほどのとげ状の毛がある。毒牙を持つ天敵ハブの攻撃に対し、発達した後ろ足のジャンプでかわすこともできる。10~12月は繁殖期に当たる。

 

山口さんが撮影したハブの捕食シーンは、昭和荘ホームページのブログや各種インターネット交流サイト(SNS)の昭和荘のアカウントで紹介している。