県産和牛「おいしく食べて」 和泊町 生産者が給食に提供、食育で活用

2022年10月06日

子ども・教育

県産和牛を使った給食を味わう生徒ら=4日、和泊中学校

【沖永良部総局】和泊町は4日、町内の小中学校などで県産黒毛和牛を使った給食を提供した。和泊中学校(山端達雄校長、生徒157人)には生産者らが訪れ、生徒へ「大切に育てた牛。おいしく食べてほしい」などと呼び掛けた。

 

県産和牛の給食提供は食と命の大切さなどを学ぶ食育の一環。子どもたちに島の主要産業の一つである畜産業に関心を持ってもらい、将来の職業選択肢の一つとして考えてもらうという狙いもある。

 

和泊町では2018年度に県町村会の助成金を活用して給食で県産牛を提供。子どもたちに好評だったため、19年度からふるさと納税基金を活用して継続している。昨年度、全国から食育事業へ寄せられた寄付額は120万円。今回は町内の全小中学校と幼稚園、保育所、こども園で使用する牛肉50㌔を用意した。

 

4日は和泊中1年1組の教室に同町手々知名の畜産農家白山智(あきら)さん(66)らが訪問。沖永良部島で育った牛が肥育期を経て食卓に届くまでの過程や、生産者の思いなどを伝えた。白山さんらの言葉はウェブ会議システムで校内の全クラスに配信された。

 

この日の献立は和牛を使った肉うどん、ひじきサラダ、パンなど。1年生の福田晴琉(こはる)さん(13)は「牛一頭一頭に名前を付けて大切に育てると聞いて、命と向き合う仕事はすごいなあと思った。とてもおいしかった」と笑顔を見せた。

 

同町の和牛給食は来年2月にも実施予定。