上陸・産卵確認2年ぶり減 屋久島町が最多、奄美では与論町 23年度県内ウミガメ調査

2024年03月03日

 県は2月29日、県内の2023年度ウミガメ上陸・産卵確認状況を発表した。県全体の上陸確認数は28市町村で4434回(前年度比1796回減)、産卵確認数は25市町村で2131回(同1041回減)。上陸、産卵とも2年ぶりに減少した。奄美群島12市町村では、上陸863回(同265回減)、産卵595回(同118回減)となり、いずれも2年ぶりに減った。

 

調査対象は海岸がある39市町村。23年4~9月に環境省が調査したほか、市町村が委嘱したウミガメ保護監視員、ボランティアなどが保護監視活動と併せて調べた。

 

上陸が最も多く確認されたのは屋久島町で2703回(前年度3580回)、産卵確認も1106回(同1613回)で最多だった。

 

奄美での市町村別確認状況は、上陸が多い順に与論町346回、瀬戸内町121回、奄美市114回、龍郷町85回、和泊町57回など。産卵が与論町204回、奄美市91回、瀬戸内町90回、和泊町48回、龍郷町43回などと続いた。

 

過去15年の推移をみると、県内での上陸・産卵確認数は08年度が上陸9443回、産卵5415回でいずれも最多だった。その後は増減を繰り返すなど年度によってばらつきがある。

 

県自然保護課は調査結果が県内の上陸・産卵の総数を示すものではないとした上で、「減少のはっきりとした理由は不明だが、23年度の確認数は全国的に減っており、県内も同様の傾向。各地の上陸・産卵の状況について情報を積み重ね、今後の保全や管理に生かしたい」としている。

 

▽表 奄美群島のウミガメ上陸・産卵確認状況