与論でヒゲマダライナゴ発生 キビの食害、県内初確認 県病害虫防除所

2023年07月06日

与論島で見つかったヒゲマダライナゴの成虫(県病害虫防除所提供)

県は5日、与論島のサトウキビ畑でバッタの一種ヒゲマダライナゴによる食害が確認されたと発表した。県内で発生して被害が出たのは初めて。被害があったほ場ではヒゲマダライナゴの幼虫と成虫が見つかっている。県病害虫防除所は「発生した原因は今のところ分かっていない。早い段階でしっかりと対策を行えば被害は大きくならない」としている。発生ほ場では殺虫剤による防除を行う。

 

ヒゲマダライナゴは、国内では沖縄県の宮古島、八重山群島、海外では台湾、中国、ベトナム、タイ、インドに分布する。成虫は4~7センチで触角は黒白のまだら。幼虫は5月から、成虫は6~10月に発生する。幼虫、成虫ともにキビやイネ科の牧草・雑草の葉を食害する。群れとなる習性があり局所的に発生することが多く、卵期に干ばつが続くと発生しやすいとされている。

 

県病害虫防除所によると、6月28日に与論町から県にイナゴによるキビの食害発生が報告された。同月30日に大島支庁と農業開発総合センター大島支場の関係者が現地調査。被害があったほ場は約10ヘクタールで島の北から東側を中心に点在。葉の6割以上が食害されたほ場もあった。今月4日に門司植物防疫所名瀬支所が被害ほ場で採取されたイナゴを調べ、ヒゲマダライナゴと特定した。

 

県病害虫防除所の担当者は「ヒゲマダライナゴはトノサマバッタなどに比べ飛ぶ能力は劣る。群れとなってほ場のキビを食害し、次のほ場へと移動していくのが特徴。沖縄の発生地域などとも情報共有しながら対応していく」と話した。