万博で奄美の魅力発信へ 自然映像上映、島唄披露も 世界自然遺産5地域会議

2025年04月15日

世界自然遺産

万博参加に向けて具体的な事業内容を確認した世界自然遺産5地域会議の第4回会合(オンライン)=14日

開催中の大阪・関西万博で、「共生」や「環境文化」といった日本型自然保護のメッセージを世界に発信する予定の「世界自然遺産5地域会議」(代表・小野寺浩屋久島環境文化財団理事長)は14日、第4回会合をオンラインで開いた。5月と6月にある万博の二つの枠組み内で行う事業の具体的な内容を決定。奄美・沖縄地域の自然を紹介する映像の上映や、遺産地域の課題を探るシンポジウム、島唄などの郷土芸能発表を計画し、奄美関係者も多数参加する。会合では今後、集客のためのPR活動に力を入れていく方針も確認した。

 

同会議が参加するのは万博の①テーマウイーク枠(5月6日)と②一般参加催事枠(6月5日)。

 

①では、自然保護と暮らしの両立を図る取り組みの深化に向けた事例発表やディスカッションがある。5地域共通の課題を整理して、両立モデルの確立を目指す。

 

①に連動して実施する②のテーマは「千の自然・千の時間―私たちと世界自然遺産5地域」。総合司会をフリーアナウンサーの有働由美子さんが務め、世界各国の専門家らによる国際シンポジウムや、子ども作文コンクールの作品紹介と表彰式などがある。5地域ゆかりの著名人や有識者が各地の魅力を紹介するイベントには、奄美から奄美市立奄美博物館学芸員の平城達哉さんが出演するほか、唄者の里朋樹さん(瀬戸内町)と関西奄美会50人による島唄・八月踊り・ワイド節・六調も披露される。最後は5地域から世界に向けたメッセージを発信する。

 

5地域会議は万博参加を目指して2023年1月に設立。奄美大島と徳之島を含む国内世界自然遺産地域の関係23市町村と公益財団2団体で構成する。万博参加の狙いは▽暮らしと自然保護の「両立モデル」の提示▽遺産地域が抱える課題の国内外への周知▽国や企業への提言―など。

 

第4回会合には奄美の自治体首長も出席した。「自然環境などに対する興味・関心が低い方々にもぜひ参加してもらい、多くのことを考えたり、感じてほしい」「(奄美関係者が出演する)ワイド節、六調は、観客も一緒になって盛り上がるようにしてほしい」といった要望や、「豊かな自然の中で生まれた奄美の文化も世界に発信できる機会」などと期待する声があった。