地元ガイド育成進める 世界自然遺産地域連絡会議・徳之島部会

2022年02月19日

世界自然遺産

徳之島で実施されたエコツアーガイドの育成講座(資料写真)

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産地域連絡会議の徳之島部会が18日、オンラインで開かれた。関係者ら約50人が参加し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会が示した課題4項目への対応を協議した。観光管理に関して、遺産地域を案内する地元ガイドの育成へ協力を求める意見があった。

 

昨年7月の奄美・沖縄の世界自然遺産登録に伴い、世界遺産委員会は▽特に西表島における観光客の制限(観光管理)▽アマミノクロウサギなど絶滅危惧種のロードキル対策-などの課題を示し、12月1日までにユネスコへ報告するよう要請した。

 

徳之島部会では、関係機関と専門家らが検討を進める報告内容の方向性や骨子案について説明があった。観光管理では、遺産地域が含まれる林道山クビリ線(徳之島町)や、剥岳(はげだけ)、三京両林道(天城町)でエコツアーガイドの同行などを義務付けた利用規制の取り組みなどを盛り込む方針。

 

徳之島で自然保護活動やエコツアーガイドの育成などに取り組むNPO法人徳之島虹の会のメンバーから、遺産地域のガイドについて「地元の人が紹介するほうが魅力が伝わる。集落から要望も出ており、ガイド育成の取り組みを進めたい」という意見があった。

 

地域連絡会議は行政や地元団体など関係機関の調整や合意形成を図る目的で設置され、奄美・沖縄の4地域にそれぞれ部会を設けて遺産地域の適正な管理の在り方を検討している。