IUCN専門家、湯湾岳へ

2019年10月10日

世界自然遺産

現地調査で湯湾岳を訪れたウェンディー・アン・ストラーム氏(中央)とウルリーカ・オーバリ氏(左)=9日、奄美大島

現地調査で湯湾岳を訪れたウェンディー・アン・ストラーム氏(中央)とウルリーカ・オーバリ氏(左)=9日、奄美大島

 来年夏の世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)の現地調査が9日、奄美大島で行われた。専門家が同島中南部の湯湾岳(694・4メートル)を訪れ、環境省の職員や有識者から森の特徴について説明を受けた。

 

 湯湾岳は宇検村と大和村に連なる奄美最高峰。亜熱帯照葉樹の森に国の特別天然記念物アマミノクロウサギなどの固有種を含め多様な動植物が生息・生育している。山頂一帯は奄美群島国立公園の特別保護地区で、世界自然遺産推薦区域の核となるエリア。

 

 沖縄島北部を皮切りに始まったIUCNの調査は5日目。来島したIUCN専門家のウェンディー・アン・ストラーム氏とIUCN世界遺産部門職員のウルリーカ・オーバリ氏に、国の担当者と有識者ら約20人が同行した。

 

 同日正午すぎ、2氏は大和村名音の湯湾岳登山道入り口に到着。学識経験者で構成する科学委員会の委員らが湯湾岳の特徴について、湿度が高く霧が多い「雲霧林帯」であることなどを説明。山頂に続く登山道を上っていった。

 

 2氏は10日午後、沖縄県に移動し、12日まで西表島を視察する。