住宅街の側溝からハブ出没 大雨で流れてきたか 奄美市名瀬
2025年05月07日

市街地の側溝から這い上がるハブ=6日午前4時半ごろ、奄美市名瀬(星野蒼一郎さん撮影)
奄美市名瀬矢之脇町の住宅街で6日早朝、毒蛇ハブが現れた。側溝から道に這(は)い上がってきたところを同市名瀬の星野蒼一郎さん(26)が発見。車に積んでいたヘビを扱うためのフックを使って捕らえ、近くの山に逃がした。星野さんは「大雨で山から流されてきたと思う。梅雨時期を迎え、市街地にもハブが出るという注意喚起になれば」と話した。
星野さんはハブなど山の生き物の観察がライフワークで、県の希少野生動植物保護推進員も務める。5日夜から盗掘のパトロールも兼ねて島内の山を回り、6日午前4時半ごろに自宅の駐車場に戻った。すると、道路を挟んだ側溝から出てくる細長いものが見え、車から降りて確認すると目測で全長約120センチのハブだった。
星野さんによると、山間部の側溝は落ち葉などが積もり、しかも暗いためハブのすみやすい場所。「大雨で水が急激に流れると、水と一緒に市街地に運ばれてくるハブも少なくないと思う」と話す。
普段山でハブを観察する星野さんも身近な場所での遭遇は初めてと言い、「改めて山と生活の距離の近さを感じた。島ではどこでもハブが出るという認識が必要だと思う。ただ、やみくもに怖がるのではなく、警察や取り扱いに慣れた人を呼んで適切な対処をしてほしい」と話した。
ハブ対策推進協議会(事務局・名瀬保健所)によると、ハブは気温18~30度で活動が活発になり、一年の中では4~6月、9~10月が盛んな時期。奄美大島では2024年、20人がハブに咬(か)まれ、5月(6人)と10月(4人)が多かった。