大雨影響もおおむね良好 大島海峡でリーフチェック 瀬戸内町海を守る会

2023年11月21日

大島海峡で行われたリーフチェック=15日、瀬戸内町加計呂麻島の安脚場沖(興克樹さん撮影)

地元ダイビング事業者らで組織する瀬戸内町海を守る会(武夏樹会長)は15日、奄美大島南部の大島海峡内でサンゴ礁の健康度を調査するリーフチェックを行った。大雨の影響で部分死滅した個体があったものの、海底がサンゴで覆われている割合を示す「サンゴ被度」は5メートル地点と10メートル地点のいずれも50%以上を維持し、おおむね良好な状態を保っているという。

 

調査地点は瀬戸内町加計呂麻島の安脚場沖約200メートルに広がる礁斜面。同会会員と専門家ら9人が参加し、サンゴ被度と魚類、無脊椎動物の数などの潜水調査を実施した。

 

サンゴ被度は、水深5メートル地点で54・4%と前年比6・2ポイント減。水深10㍍地点は58・8%と前年を6・9ポイント上回った。5メートル側線では、大型のドーンミドリイシ群体が、大雨による泥水の影響とみられる白化で約4割が部分死滅しているのが確認された。

 

両側線周辺とも新たに定着するサンゴは少ない状態が続いているものの、夏季の海水温の上昇による白化現象や、オニヒトデの食害はみられなかった。

 

安脚場の調査は2001年に始まり23年連続。奄美大島南部の海域では01年から05年にかけてオニヒトデの大量発生による食害でサンゴは壊滅的なダメージを受けた。調査地点は02年にサンゴ保全海域に設定され、オニヒトデの駆除活動を展開してサンゴ群落を保護してきた。

 

調査に参加した祝隆之副会長は「自然災害か観光客増加による影響かは分からないが、一部死滅したサンゴがあった。今後は日焼け止めなども海やサンゴに影響の少ない製品を利用してもらうよう呼び掛けたい」と話した。