水陸・空挺訓練を公開 陸・海・空の部隊が連携 自衛隊統合演習 徳之島

2023年11月20日

地域

離島の奪還を図る着上陸作戦で、花徳浜の浜辺に上陸した陸自水陸機動団の隊員らと水陸両用車=19日、徳之島町

陸、海、空の自衛隊による「自衛隊統合演習」で19日、徳之島での訓練の一部が報道陣に公開された。水陸両用車(AAⅤ)で浜辺に上陸した隊員が島の奪還を図る着上陸作戦や、輸送機からパラシュートで降下、増援を目的とした空挺(くうてい)作戦などを展開。同演習の総指揮を執る防衛省統合幕僚監部の吉田圭秀統合幕僚長も視察のため来島した。天城町ではパラシ

第1空挺団の降下訓練を見物する地域住民ら=19日、天城町兼久

ュート降下目標地点の周辺に交通規制が敷かれたが、遠方から見守る住民の姿も見られた。

徳之島町の花徳浜とその周辺沿岸では、離島侵攻を想定した島しょ部防衛作戦と、敵に奪われた島の奪還を図る着上陸作戦が並行して展開され、地域住民ら約40人が見学。島しょ防衛には陸上自衛隊西部方面隊の基幹部隊など約600人、島しょ奪還には陸自の水陸機動団の約500人が参加した。

花徳浜の沖合には水陸両用車などを輸送する海自の輸送艦「おおすみ」「しもきた」が待機。浜辺には鉄条網などの障害物も張り巡らされた。陸自のCH47輸送ヘリやAH64戦闘ヘリも輸送や上陸の火力支援として、作戦に加わった。午前10時ごろ、沖合の輸送艦から出発した1両目の水陸両用車が重低音を響かせ浜辺に上陸。続々と計5両が上陸し、深緑色や茶色の迷彩塗料を顔に塗った隊員ら約20人が銃火器を手に、砂浜に展開した。

午後2時すぎには天城町の兼久地区で陸自の第1空挺団による空挺降下作戦を展開した。離島部への増援を想定した訓練で、埼玉県の空自入間基地からC130輸送機とC2輸送機が交互に飛来し、高度約300メートルの機体から、13式空挺傘と呼ばれるパラシュートで複数回に分け隊員計45人が降下。私有地のサトウキビ畑の中に着地した。

自衛隊統合演習の実動訓練は20日まで。奄美大島や徳之島で訓練を行っている部隊の撤収は、26日ごろまでを予定している。