奄美のカニ2種を希少野生動植物に 種子島 徳之島、沖永良部島、与論島に分布

2023年12月06日

ヒメオカガニ(鈴木廣志氏提供)

鹿児島県は5日、奄美にも分布するヒメオカガニとドウクツベンケイガニを含む3種を新たに、県の希少野生動植物に追加指定したと発表した。今回の指定で県指定希少野生動植物は計55種(動物18種、植物37種)となった。

 

自然保護課などによると、オカガニ科のヒメオカガニは海岸近くの湿潤な陸地や枯れ葉の堆積している場所に生息。県内では徳之島と種子島に分布し、県は絶滅危惧Ⅰ類、環境省は準絶滅危惧種に分類している。

ドウクツベンケイガニ(藤田喜久氏提供)

ベンケイガニ科のドウクツベンケイガニは地下水系の汽水域にのみ生息する種で、生息数も極めて少ない。県内では徳之島、沖永良部島、与論島に分布。環境省は「情報不足」とし、沖縄県のレッドリストでは絶滅危惧ⅠBとなっている。

 

2種のほか、キンポウゲ科のオキナグサが県指定の希少野生植物に指定された。県内では湧水町吉松地区に分布している。

 

県の指定希少野生動植物を捕獲・採取などする際は、保護に関する条例に基づき知事の許可が必要。違反した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性がある。