「人財」育成、事業創出で連携 与論・鹿大・清水建設が協定

2023年12月06日

政治・行政

連携協定を結んだ(右から)鹿児島大学の佐野輝学長、与論町の田畑克夫町長、清水建設の山地徹副社長執行役員、井上和幸社長(画面)=5日、与論町

与論町(田畑克夫町長)と国立鹿児島大学(佐野輝学長)、清水建設(本社東京都、井上和幸社長)は5日、同町の地域課題解決や「人財」育成、事業創出に向けた連携協定を結んだ。与論町役場で協定締結式があり、3者代表が協定書に署名した。

 

「人財」は人材の意で、「人は宝、財産」の思いを込めた。与論町は2021年度、官民連携型の人財育成支援組織「イノベーんちゅ創出実行委員会」を設立。第6次総合振興計画(22~31年度)で「人財育成」を最重点施策と位置付け、各分野でまちづくりや地域おこし人財の育成を推進している。

 

鹿児島大学は同町の人財育成事業に当初から協力。22年度からは両者で「地域産業創出人財育成プログラムの開発」に係る共同研究契約を締結し、連携を深めた。

 

清水建設は22年、人財育成と事業創出で地域と共に成長することを目指して鹿児島大学と調査・研究を行うこととし、同大学から紹介された与論町の新規ビジネスプラン発表コンテスト「イノベーんちゅAWARD」を視察。その取り組みに賛同し、3者合意による今回の協定締結に至った。

 

今後はイノベーんちゅ事業について、▽同実行委が推進する講座やコンテストへの参加▽コンテストで選ばれた新規事業の伴走支援▽同事業の持続性を高めるための体制や仕組み検討―に協力することなどを予定している。

 

式で田畑町長は「本町は1島1町の小さな自治体で行政や民間団体、町民との距離が近く、各分野で連携が取りやすいことから、共同プロジェクトや先駆的な取り組みに適した環境。他自治体の参考となり、モデルにもなると考えている」と述べた。

 

佐野学長は「地域と企業と大学をつなぐ架け橋として、3者による連携協定が整ったことをうれしく思う。町が掲げる島を支える多様な地域人材の育成に貢献できれば」、オンラインで出席した井上社長は「この活動を通じて地域課題の解決や新たな価値の創出に資する人財の育成、事業創出が継続的に実現する与論モデルが確立されると信じている」とそれぞれあいさつした。