浅場、深場ともサンゴ被度減 ヨロン島リーフチェック

2020年11月25日

ダイビング事業者らが参加したヨロン島リーフチェック=21日、与論島の供利沖(海の再生ネットワークよろん提供)

ダイビング事業者らが参加したヨロン島リーフチェック=21日、与論島の供利沖(海の再生ネットワークよろん提供)

 与論島の供利沖で21日、サンゴ礁の健康診断「ヨロン島リーフチェック」(NPO法人海の再生ネットワークよろん主催)があった。前年と同じ地点で調査した結果、造礁サンゴの被度(生きたサンゴが海底を覆う割合)は浅場(水深約5㍍)で16・3%(前年比9・4減)、深場(水深約10㍍)で36・3%(同1・2減)だった。初めてブラックバンド病にかかった造礁サンゴ2群体が確認され、同法人は「致死率が高い病気であり、今後、広がる可能性もある。引き続き継続してモニタリングしていきたい」としている。

 

 同島のリーフチェックは2000年から年2回実施。今回はヨロン島ダイビング協議会のメンバーら19人が参加し、魚類や無脊椎生物の個体数と底質の状況を調べた。

 

 浅場、深場とも造礁サンゴ被度が減少した一方、定着して間もない造礁サンゴが多く観察でき、同法人は「今後、環境変動が大きくなければ、徐々に回復していくのではないか」と分析。無脊椎動物のガンガゼ属が前年より多く確認されたことからも「ガンガゼ属が岩盤に付着する藻類を食べ、露出した岩盤に新たな造礁サンゴが定着する可能性に期待したい」とした。

 

 ブラックバンド病は、シアノバクテリアと硫酸還元菌の集合体による致死性の感染症。感染したサンゴは表面に黒い帯が観察され、病変は1日2~5㍉進行する。日本でも、沖縄をはじめとして多くのサンゴ礁で確認されている。調査ではこのほか、サンゴを餌とするレイシガイダマシの付着した造礁サンゴ群体も多く観察された。

 

 同法人の池田香菜事務局長は「リーフチェックを含むサンゴ礁のモニタリング調査は、データを積み重ねることがとても重要。今後も実施形態を考えつつ、毎年継続していきたい」と話した。

確認されたブラックバンド病にかかったサンゴ=21日、与論島の供利沖(海の再生ネットワークよろん提供)

確認されたブラックバンド病にかかったサンゴ=21日、与論島の供利沖(海の再生ネットワークよろん提供)