海の生き物に興味津々 龍郷町で観察会 リーフ歩き生態学ぶ

2023年09月17日

潮だまりの生き物を探す参加者=16日、龍郷町

海辺の身近な場所で見られる生き物へ理解を深める「サンゴ礁のいきもの観察会」が16日、龍郷町赤尾木の海岸であった。奄美大島の親子18人が参加。リーフ(干瀬)を歩いて潮だまりやサンゴ礁にすむ多様な生き物に触れ合い、特徴や生態を楽しく学んだ。

 

公益財団法人日本自然保護協会(東京都)と鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センター奄美分室の共催。同分室特任研究員の吉川晟弘さん(31)が講師を務め、コーディネーターは同協会の中野恵さん(48)が担当した。

 

同日は干満の差が大きくなる大潮。参加者は潮が引いたリーフの上を歩いて潮だまりをのぞき込み、さまざまな生き物を発見。網などを使って生き物をバケツに採取した。

 

貝殻を持たない軟体動物のイソアワモチやクロナマコ、イモガイ科のマダライモなどが姿を見せると、子どもたちはびっくりしたり、喜んだりしながら観察していた。

 

採取後は、吉川さんが種類別に特徴を説明。ヒトデやウニ、ナマコは構造が共通している棘皮(きょくひ)動物であることや、カニの雄雌の見分け方、エビ、カニ、ヤドカリは十脚であることなどが伝えられた。

 

モニタリング調査も兼ねたこの日は、採取した生き物の個体数が記録され、観察調査後は海に返された。

 

参加した肥後雄大君(10)は「ナマコや魚など、思ったよりも生き物を見つけられて楽しかった。今度、採取した生き物を食べてみたい」と話した。

 

吉川さんは「子どもたちが地元の海に触れ合って、遊びの中から学ぶことが大切。将来、環境問題などの意識を持つきっかけになれば」と語った。