犬との信頼、築けていますか? 散歩マナーや予防接種啓発 奄美市

2023年11月26日

犬と目を合わせながら、おやつを用いて「クレート」の慣れさせ方を解説する上原聖良さん=23日、奄美市の名瀬小学校校庭

奄美市世界自然遺産課が企画した「飼い犬のしつけ教室」が23日、同市の名瀬小学校校庭であった。犬と飼い主、周囲の人がともに快適に暮らせる環境づくりが目的。5組7匹が参加し、大切な家族である愛犬と飼い主との信頼関係の築き方を学んだ。

 

講師は家庭犬しつけインストラクター、認定動物看護師の上原聖良さん(40)。災害時などに持ち運び可能な犬用ハウス「クレート」への慣れさせ方や、リードの使い方を実地で説明した。

 

教室では「犬は自分の行動と飼い主の反応を3秒で結び付ける。褒めるときは瞬間的に大げさに」と助言。「犬の名前を呼んで目が合ったら褒める。『まて』『だめ』など落ち着かせる言葉は覚えやすいよう統一し、低めの声で伝えたり、リードを強く引く。日常的に繰り返し、オンとオフの切り替えを伝えることが大切」と話した。

 

犬が前脚でしがみつき腰を振る「マウンティング」は「犬の腰に大きな負担がかかりヘルニアの原因となる。後ろ足を踏むなどして、すぐにやめさせて」と訴えた。

 

散歩時は「ふん尿の片づけを適切に行い、公衆衛生を守り周囲へ迷惑をかけない配慮を」と呼び掛け、「レプトスピラ症」「狂犬病」など人獣共通感染症の危険性も解説。散歩中に他の動物のふん尿跡を嗅ぐ行為が見られたら止めることや、ワクチン接種の重要性なども説いた。

 

愛犬のハクくん(1歳2カ月)と共に参加した奄美市名瀬の前田知恵美さん(61)は「ハクは落ち着きがないのが悩み。散歩ではリードを短く持つことが大事と参考になった。また参加したい」と話した。市の担当者は「今後は犬種や月齢などを分け開催できたら」と話した。