秋を告げるサシバ観察 やけうちっ子環境学習講座 宇検村

2023年10月08日

熱心に双眼鏡をのぞきサシバを観察する参加者ら=7日、宇検村

宇検村やけうちっ子環境学習世界自然遺産博士講座(宇検村教育委員会主催)の第3回「サシバ観察会に行こう! 奄美の野鳥の観察の仕方を学ぶ」が7日、宇検村宇検の防災会館などであった。村内の小学生と保護者22人が参加。奄美大島に秋の訪れを告げる渡り鳥サシバをはじめ、野鳥の生態などについて、座学や観察会を通して知識を深めた。

 

同講座は、地域の自然や文化、歴史を学び、

宇検集落上空を飛ぶサシバ=9月30日、与名正三さん撮影

持続可能な社会の担い手育成が目的。講師は、奄美博物館学芸員の平城達哉さん(32)、野鳥写真家の与名正三さん(71)が務めた。

 

平城さんは「日本の鳥類は633種、うち国土面積約0・19%の奄美大島で315種が確認されている。まさに『鳥の楽園』だ」とし、世界自然遺産に登録された奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島の野鳥を中心に紹介。

 

与名さんは、サシバの飛来に合わせて全国を移動し、撮影、研究を行っていることから、繁殖地の本土と越冬地の奄美大島との習性の違いや飛来経路などを解説。「本土の餌はヘビやカエルなど約60種に対し、奄美大島はカニやカタツムリも捕食するため約80種に及び、自然環境の豊かさの表れ」と述べた。

 

宇検漁港での観察会では▽腹部の縦模様は幼鳥、横は成鳥▽「ピックイー」の鳴き声は縄張り主張▽2羽での旋回は縄張り争い―など、サシバの特徴や習性を双眼鏡を使って調査。久保聡祐君(11)=湯湾=は「肉眼では見たことあるが、双眼鏡で観察するのは初めて。興味深く、楽しく観察できた」と笑顔で話した。