23年度 ノネコ捕獲161匹 エリア拡大で過去最多に 奄美大島

2024年04月06日

奄美大島の山中で捕獲され、譲渡された猫(参考写真)

奄美大島の山中で野生化した猫(ノネコ)の、2023年度の捕獲状況がまとまった。捕獲数は161匹で過去最多。環境省は「捕獲作業エリアの拡大が要因と思われる」と分析し、今後も関係機関と連携して山中からのノネコの排除と発生源となる野良猫、飼い猫の管理対策を強化するとしている。

 

ノネコの捕獲は奄美大島の生態系保護を目的に、環境省と県、島内5市町村が策定したノネコ管理計画に基づいて18年7月に始まった。年度別の捕獲数は、初年度が43匹、19年度125匹、20年度27匹、21年度124匹、22年度101匹。作業開始から24年3月末までの捕獲総数は581匹となった。

 

23年度は前年度に続いて作業エリアを拡大し、島全体の約7割で捕獲作業を実施。捕獲された猫の約3割が、元は集落などに居たとみられる不妊・去勢手術済みの個体だった。首輪やマイクロチップなど飼い猫であることが確認できない個体は収容後に希望する個人・団体に譲渡しており、今年度捕獲したうち159匹が譲渡され、1匹が収容中。また1匹が収容中に死亡した。

 

環境省奄美群島国立公園管理事務所の釣谷洋輔離島希少種保全専門官は「奄美大島は山と集落が近く、人の生活圏から森林域に猫が流入しやすい。ノネコの供給源を減らすためにも、地域での適正飼養徹底を捕獲と両輪で進めなければいけない」と話した。

 

ノネコ管理計画に関連して、5市町村でつくる奄美大島ねこ対策協議会は、捕獲したノネコの譲渡認定者を随時募集している。対象は自ら飼育を希望する人や、希望者への譲渡を行っている団体など。認定者になるには適正な飼育環境などの基準に合格する必要がある。認定条件や申請方法は同協議会事務局(奄美市世界自然遺産課)ホームページで確認できる。