音楽で奄美と川崎つなぐ 観光大使や唄者ら出演 歌声やパフォーマンス披露 黒うさぎコンサート

2024年04月23日

芸能・文化

美しい絵と音楽に合わせて歌物語「ケンムンとぼくの夏」を歌う萩原かおりさん=21日、川崎市の麻生市民館

奄美ゆかりのミュージシャンらによる音楽イベント「奄美の黒うさぎコンサート」(同実行委員会主催)が21日、神奈川県川崎市の麻生市民館で開かれた。奄美観光大使の萩原かおりさんや、唄者の前山真吾さん、牧岡奈美さんらが、来場した約500人を前に歌声やパフォーマンスを披露した。

 

奄美出身者が多く居住する川崎市で、音楽を通じて奄美の文化や自然を発信するイベントとして、川崎・しんゆり芸術祭実行委員会、川崎市、川崎市教育委員会が共催。市制100周年を迎えた川崎市の記念事業「全国都市緑化かわさきフェア」に合わせ、3回目の今回は「みどりと音楽のまち・奄美と川崎を繋(つな)ぐ」をテーマに開催した。

 

第1部は萩原かおりさんが自身で作曲した歌物語「ケンムンとぼくの夏」を初披露。原作は宇検村を舞台に奄美の自然とケンムンを描いた永田萠さんの絵本で、ステージでは永田さんの色鮮やかなイラストをバックに、萩原さんの歌声と作曲家の丸山和範さんのピアノ演奏、パーカッショニストの仙道さおりさんの演奏が物語を彩った。

 

第2部は、前山さん、牧岡さんが「朝花節」「むちゃ加那節」など島唄を歌い、「ワイド節」では会場から手拍子やハト(指笛)が響き、手踊りで盛り上げる観客の姿も見られた。続いて蛇味線ロックバンド「ティダ」が「テアライウガイ」を熱唱。前山さん、牧岡さんと仙道さん、尺八奏者の小濱明人さんら4人による島唄コラボレーションや、出演者全員による「行きゅんにゃ加那」が聴衆を魅了した。

 

会場全体が熱気に包まれた六調=21日、川崎市の麻生市民館

最後は山ゆり会がカサン唄による八月踊りを披露し、締めの六調では観客も一緒になって踊り、会場全体が奄美の熱に包まれた。

 

横浜から来場した奄美市名瀬出身の田畑加寿雄(かずお)さん(78)は「コンサートは3回とも来ている。ケンムンの物語は萩原さんの歌声が素晴らしく、構成もとても良かった。中学の時に島を出たが、今でも中学の時の同窓と会って昔語りをしている。こうして島唄を聴けるのもいい」と話した。