にぎやかに踊り、親睦深める 五穀豊穣願い「種おろし」 笠利町外金久

2022年10月10日

芸能・文化

種おろし行事で老若男女がにぎやかに踊った外金久集落の八月踊り=8日、奄美市笠利町

奄美市笠利町の外金久集落(諏訪光三区長、235世帯)で8日、豊作を祈願する奄美の稲作行事「種おろし」が行われた。地域住民ら約70人が参加。五穀豊穣(ほうじょう)を願って八月踊りをにぎやかに踊り、互いに親睦を深めた。

 

かつては集落内を1軒ずつ巡り、夜を徹して踊ったという。同集落では例年13カ所ほどを2日間かけて踊り歩くが、新型コロナウイルス発生以降は日程を短縮して実施。この日は集落内の新築宅など計3カ所で八月踊りの輪をつくった。

 

種おろしの八月踊りは午後6時ごろ、「祝い付け」でスタート。男女が歌を掛け合い、チヂン(太鼓)のリズムに合わせて「さんだまけまけ」や「赤木名観音堂」などを次々と踊った。

 

住民や地元企業などからの花(寄付)がお披露目されると、盛り上がりは最高潮に。老若男女が「六調」や「天草」で活気あふれる踊りを繰り広げ、子どもたちが三味線を演奏する場面もあった。

 

元気いっぱいに踊った赤木名小1年の中村裕來君(7)は「六調が楽しい」と笑顔。諏訪区長(70)は「コロナ禍で体育行事などが中止となり気持ちが落ち込む中、集落のパワーで盛り上げようと実施した。若い世代の文化の継承にもつながれば」と語った。