ウンブキ水中遺跡保護を 協議会、町長へ方針伝える 天城町

2025年03月19日

芸能・文化

ウンブキ水中遺跡保護を 協議会、町長へ方針伝える 天城町

天城町のウンブキ水中鍾乳洞遺跡について適切な保存・活用への基本方針策定に取り組んできた「ウンブキ水中鍾乳洞遺跡調査保存協議会」(会長・池田榮史国学院大学教授)はこれまでにまとめた方針を18日、天城町役場で森田弘光町長へ伝えた。「世界的にも類例のない希少な遺跡」と評価し、調査・保存を求めた。

 

ウンブキ水中鍾乳洞遺跡は徳之島空港から約700メートルの場所に位置し、方言で「ウン」は海、「フキ」は崖を意味する。かつてサンゴ礁が隆起して鍾乳洞がつくられた後、再び海に沈んでできたとされる。全体の地形は未解明。日本最大級の規模と見られている。

 

町は2023年9月に水中考古学、文化財行政の専門家、町職員らで調査保存協議会を設置し、方針策定に向け取り組んできた。

 

基本方針には①ウンブキ水中鍾乳洞遺跡は世界的にも希少な遺跡であり保護を図る②詳細に調査を行い、文化財指定など法的措置を取ることが望ましい③本方針はそれまでの暫定的な指針④利用ルールを定めた保護利用規則を策定する│ことなどを盛り込んだ。

 

池田会長は「海面上昇により人類活動の痕跡が水没したことが確認できる、世界的にも類例のない希少な遺跡。行政として考古学と観光開発を両立させる日本のモデルパターンになる」と話した。