多彩な「奄美の文化」伝える 未来へつなぐヒギャ唄の夕べ 奄美市

2020年01月26日

芸能・文化

シマ(古里)への思いを込め、島唄を歌う朝崎郁恵さん=25日、奄美市名瀬

シマ(古里)への思いを込め、島唄を歌う朝崎郁恵さん=25日、奄美市名瀬

 「未来へつなぐヒギャ唄の夕べ│朝崎郁恵 島への思(ウム)い」(奄美市、同市教育委員会主催)は25日、奄美市名瀬の奄美文化センターであった。瀬戸内町出身の唄者朝崎郁恵さんを中心に、奄美を代表する若手唄者、歌手らが多数出演。800人余りの来場者に島唄や八月踊り、奄美新民謡などさまざまな形の「奄美の文化」の魅力を伝えた。

 

 オープニングは朝崎さんが登場。ヒギャ唄で最高の祝い唄とされる「朝顔」から始まり、「長朝花」「ほこらしゃ」「くるだんど」など6曲を歌い、旧正月であるこの日を祝った。

 

 1部では前山真吾さん、徳原大和さん、里歩寿さん、里朋樹さん、川畑さおりさん、中村瑞希さんら若手唄者が出演。即興で唄を歌い合う「唄あしび」では、来場者も手拍子やハト(指笛)などで参加し、会場一体となって楽しんだ。

 

 2部は久永美智子さん、中島章さん、泉清次さんらが奄美新民謡、奄美歌謡を紹介したほか、タナカアツシさんが奄美群島の悲哀をユーモアに歌い上げる「大島エレジー」で会場を沸かせた。

 

 3部では再び朝崎さんが登場。「若い子たちに島唄に興味を持ってほしい」とギターやジャンベと合わせて島唄を歌い、三味線だけではない島唄の楽しみ方を紹介した。

 

 曲間に朝崎さんは「奄美の唄がなくなると奄美の歴史は語れない。島唄を『奄美の宝物』として若い子たちに受け継いでほしい」とメッセージ。若手唄者らが応じ、「これからも島唄を歌い続ける」「唄をつないでいきたい」と決意を語る場面もあった。

 

 大熊町内会(同市)が八月踊りで会場を盛り上げ、最後は六調で締めくくった。