奄美と地球、共鳴 平田まりなさん、川崎市でライブ 和太鼓やセネガルの打楽器とコラボ

2024年02月09日

芸能・文化

平田まりなさん(中央)の島唄と和太鼓、セネガルの民族楽器が共演したライブ=6日、神奈川県川崎市

奄美大島を拠点に活動する唄者の平田まりなさんと和太鼓、セネガルの民族打楽器サバールのコラボレーションによるライブが6日、神奈川県川崎市のライブハウスであった。会場を訪れた奄美出身者や音楽ファンは、民族の垣根を越えて生み出された新鮮な音楽体験に酔いしれた。

 

平田さんと作曲家の吉井盛悟さんが結成する音楽プロジェクト「Earth Voice(アースボイス)」の主催。アースボイスは「地球と人との共振のツール」としての民族音楽や民謡の未来への継承を目指すプロジェクトで、2022年12月に結成。これまでにも鹿児島市や奄美市などで公演を行っている。

 

今回は平田さんと吉井さんに加え、セネガル出身でアフリカの民族楽器奏者であるオマール・ゲンデファルさんが参加し、オマールさんのサバール、吉井さんの和太鼓、平田さんの奄美のチヂン(太鼓)で一緒に「ワイド節」を躍動的に演奏。

 

また、平田さんは悲しい伝説に基づく島唄「うらとみ」を歌い上げて観客を奄美の世界に引き入れ、3人がそれぞれの子守唄や祈りの歌を一緒に歌って、音律の不思議な共通性を伝えた。

 

東京都から訪れた榊原昌毅さん(49)は「奄美の生の島唄を聴いたのは初めて。民族を越えた人間のルーツみたいなものを感じられ、心が洗われるようだった」と感動した様子。

吉井さんは「地球は多様性の中にあっても深いところでは根っこはつながっている。世界各地で紛争も絶えない中、音楽を通じて世界平和を祈っていきたい」と話した。

 

アフリカの楽器と合わせて島唄を歌ったのは初めてという平田さんは「異なるようで共通性のある音楽。皆さんに心の交信を楽しんでもらえたようでうれしかった」と語った。