信念持って挑戦を 「走る冒険家」がエール 天城町立北中学校

2024年02月10日

子ども・教育

信念を持って挑戦する大切さを伝える岩元みささん=9日、天城町の北中学校

世界で最も過酷と言われるサハラマラソンなど世界各地の砂漠でのレースを完走している岩元みささん(30)=鹿児島市=を講師に招いた講演会が9日、天城町立北中学校(政岡健作校長、生徒71人)であった。「走る冒険家」と称される岩元さんは「自身がどう在りたいか信念を持って挑戦することが大切」と生徒へエールを送った。

 

講演会は活躍する社会人を招き、生徒たちが進路や将来について考えることを目的に開催しているキャリア教育「夢講話」の一環で開催。岩元さんが政岡校長の教え子だったことも縁となり講演を依頼した。

 

岩元さんは曽於市出身。小学生の頃に陸上を始めた。2018年4月にサハラマラソンに初挑戦して完走。同年10月にはイランで開催されたシルクロードウルトラマラソンで日本人初の完走を果たすなど活躍している。

 

岩元さんはサハラマラソンでは237キロを7日間かけて走破したこと、イランのレースでは最高気温が63・1度にも達したことなどを紹介。レース中の食料や寝袋などを背負って走らなければならず、毒蛇や毒グモにかまれた時のための毒の吸引器も携帯していたことなども伝えた。

 

いじめに遭って学校を辞めた時やマラソンへの挑戦を決めた時など、周囲から「やめた方がいい」と否定的な意見があったことも伝え、「周りの人とは違う選択だとしても『自分自身がどう在りたいか』を考えて決断した。チャレンジできるのは生きている人だけの特権。諦めずにいろんなことに挑戦して」と生徒らを激励した。

 

受講した角川凜さん(2年)は「未経験だった過酷なレースに挑戦して完走する意思の強さだけでなく、旅で出会った人たちを思いやる優しさが印象に残った。私も岩元さんのように自分の意思でいろいろなことに挑戦してみたい」と感想を述べた。

 

岩元さんは21年12月から昨年10月までの約2年間をかけて全長約550キロの奄美トレイルを走破した。今年11月には憧れの南極マラソンへ挑戦する。岩元さんは「たくさんの人を笑顔にするのも目標の一つ。奄美で出会った人たちにも喜んでもらえるように完走を目指す」と笑顔を見せた。