奄美のよさを生かそう 4年ぶり、大島地区生涯学習大会

2022年11月20日

芸能・文化

地域づくりの事例発表で5人が報告した大島地区生涯学習推進大会=19日、喜界町

第19回大島地区生涯学習推進大会・第22回大島地区広域文化祭(奄美群島社会教育振興会など主催)が19日、喜界町体育館で開かれた。奄美群島内での青少年育成や環境保護、文化・伝統芸能継承などへの取り組みが報告され、来場者はこれからの地域の在り方について幅広い視点で考えた。

 

2020年に天城町で予定されていた前回大会が新型コロナウイルスの影響で中止となり、4年ぶりに開催された。

 

生涯学習推進大会は「奄美のよさを生かした、人づくり・つながりづくり・地域づくり~地域・学校・家庭の連携・協働するまちづくりを目指して」をテーマに、群島内の社会教育関連団体などから約300人が参加。隈崎悦男喜界町長は「皆さんの豊かな経験が、これからの人づくり・地域づくりに生かされることを期待している」とあいさつした。

 

シンポジウムには奄美市、喜界町、龍郷町、与論町、大和村から5人が登壇。喜界町でクリーンアップ活動に取り組む冨充徳さんは、海岸への漂着物を分析した結果、外国からのペットボトルや、注射針などの医療廃棄物も流れ着いていることなどを報告。「漂着ごみは、(国内外問わず)誰もが被害者にも加害者にもなりうる」と環境保全への意識高揚を呼び掛け、「子どもたちが安心して浜辺で遊べる環境を残したい」と活動の意義を語った。

 

奄美市で子ども育成会活動に取り組む配田が丘きょら会事務局の渡嘉敷誠さんは、学習支援や屋内外でのレクリエーション活動などを紹介し「子どもたちは遊びの中から学習をする。地域の皆さんと一緒に楽しく活動を継続したい」と報告した。

 

記念講演では、喜界島サンゴ礁科学研究所の山崎敦子所長がサンゴ礁の魅力や役割、サンゴの隆起で形成されている喜界島の特徴などを解説。広域文化祭では、会場に絵画や書道、押し絵などの作品が展示され、各地域の舞踊などの舞台発表もあった。

 

被表彰者は次の通り。(敬称略)

▽大島地区社会教育功労者 有村忠洋(奄美市)、泰敦子(瀬戸内町)、原田辰法(徳之島町)、大久幸助(天城町)、冨敏紀(与論町)▽大島地区文化協会表彰 湯湾八月踊り保存会(宇検村)、永井しずの(瀬戸内町)、松村里子(喜界町)