島の心歌い継ぐ 平田まりなさん、吉井盛悟さんコンサート 神秘的な調べで魅了

2023年06月19日

芸能・文化

島唄や日本民謡などを融合した音楽で聴衆を魅了した平田まりなさん(右)と吉井盛悟さん=18日、奄美市名瀬

奄美島唄の唄者、平田まりなさんと日本音楽作曲家の吉井盛悟さんによるコンサート「Earth Voice(アースボイス) into AMAMI」が18日、奄美市名瀬の市民交流センターであった。島唄や日本民謡、現代音楽を融合した神秘的な調べで約300人の聴衆を魅了した。

 

アースボイスは、〝土地に根付く音楽〟をコンセプトに、平田さんと吉井さんが昨年12月に立ち上げたプロジェクト。東京や鹿児島本土などでの公演を経て初めて奄美で開催した。当初は4日に予定していたが、台風3号の影響で延期された。

 

プログラム前半は六調で開幕。「一切朝花」や「請けくま慢女」が続いた。富山県の民謡「古代神」と奄美の「イトゥ」を組み合わせたオリジナル曲「コダイトゥ」なども披露し、独創的な世界観を演出した。島唄教室「あやまる会」の児童生徒ら13人もゲスト出演。奄美市笠利町須野集落の手遊び歌「うんにゃだる」を元気よく歌い会場を盛り上げた。

 

後半は伝統音楽を基に吉井さんが作曲した楽曲を演奏。奄美の「豊年節」を取り入れた「永年豊年」を、平田さんが先人の苦労に思いをはせながら、島の平和な未来を願って情感豊かに歌い上げた。

 

平田さんは「次の世代に島唄や島の心をつなげられるよう、これからも歌っていきたい」とあいさつ。最後の六調には観客も手踊りやハト(指笛)で参加し、感動の輪を広げた。