自然や文化に理解深める 大学生が奄美博物館で実習

2022年09月06日

芸能・文化

奄美博物館に寄贈された写真のフィルム整理をする実習生ら=5日、奄美市名瀬

奄美市名瀬の奄美博物館は8月29日から、学芸員の資格取得を目指す学生を対象とした博物館実習を行っている。実習生として大学生4人が参加し、研修やフィールドワークなどを通して奄美の自然や歴史、文化に理解を深めている。

 

実習は博物館学芸員の養成教育の一環として、同館が毎年実施している。全国の大学生が約2週間の日程で同館に滞在し▽資料保存業務▽展示業務▽教育普及業務│などの研修プログラムを通して学芸員の資格に必要な単位を取得する。

 

今回参加しているのは日本大学芸術学部4年の森山詩苑さん(22)と佐原咲来さん(同)、沖縄国際大学経済学部4年の高江洌鈴奈さん(同)、龍谷大学文学部4年の木田裕里菜さん(21)。4人は同館所蔵資料の整理・入力作業などを体験したほか、8月31日には龍郷町秋名・幾里地区のアラセツ行事と、奄美市笠利町須野集落の八月踊りを見学した。

 

5日は、寄贈された写真のデジタル化に向けた整理作業を行った。実習生たちは、昔のノロ祭事などのフィルムに興味を示していた。

 

奄美大島の民俗芸能をテーマに卒業論文に取り組んでいる森山さんは、同市名瀬の出身。「島を出ていろんな地域の人と交流する中で、奄美の文化は他と比較しても特殊な形で残っていると気付いた。実習で奄美について深く学ぶことで原点回帰できた」と笑顔を見せた。

 

兵庫県淡路島出身の木田さんは「奄美大島と淡路島の自然環境は大きく違ったが、人や地域の関わり方など同じ島としての共通点もあり面白い」と話した。

 

実習は9日まで。最終日は実習生らが研修やフィールドワークで学んだことについて意見交換を行う。