西郷菊次郎の人生熱演 児童生徒34人が観客魅了 青少年ミュージカル、きょうまで 龍郷町

2024年03月17日

芸能・文化

児童生徒たちが菊次郎の人生を熱演した龍郷町青少年ミュージカル=16日、町りゅうゆう館

西郷隆盛と愛加那の長男・菊次郎の人生を描いた龍郷町青少年ミュージカル「KIKUJIRO」(同実行委員会と町教育委員会共催)が16日夜、同町りゅうゆう館であった。第3期となる今回は新たな音楽や演出も加わり、名誉町民でもある菊次郎の少年時代から台湾の宜蘭(イーラン)庁長時代までを児童生徒34人が熱演。迫真の演技と息の合った踊り、華やかな舞台演出で観客を魅了した。

 

菊次郎は龍郷町で1861年に生まれ、明治時代に外交官として活躍。台湾総督府や京都市長を務めた。ミュージカルは生誕160周年を記念し2021年度に初演。脚本と演出、音楽は鹿屋市を拠点に活動する演出家の松永太郎氏が担当する。生徒の進学などでメンバーの入れ替わりを経て、小学4年生から高校3年生までの3期生34人が昨年5月から練習を重ねてきた。

 

舞台は2部構成で、1部では薩摩藩制下の奄美で過ごした少年期や西南戦争の負傷による右足切断、父の死など苦難の時代を表現。第2部では宜蘭庁長時代を中心に展開し、日本統治に反発する台湾住民に奄美の人々を重ねる菊次郎の心の葛藤や、父の教え「敬天愛人」を胸に住民と協力して宜蘭川の堤防建設に尽力する様子を熱演した。

 

16日は午後6時に開演し、奄美大島各地から約420人が来場。大島高校ダンス部や劇団ニライスタジオも賛助出演したほか、保護者やOBらも舞台を支えた。奄美市名瀬から訪れた川上晃成さん(32)は「子どもたちの演技に感動して涙が止まらなかった。地元の誇りを伝えるミュージカルをこれからも続けて欲しい」と感激した様子で話していた。

 

公演は17日も同会場である。開演時間は午後2時(開場1時間前)。チケットは一般2千円、高校生以下1000円。問い合わせは電話090(7246)8741圓山さんへ。