4年ぶりにショチョガマ 10日設営、協力者を募集 秋名アラセツ保存会

2023年09月07日

芸能・文化

「ヨラ、メラ」の掛け声で屋根を揺さぶり小屋を倒すショチョガマの神事=2017年9月6日、龍郷町

龍郷町秋名・幾里地区に伝わる伝統の「秋名アラセツ行事」が25日、同地区で行われる。国の重要無形民俗文化財に指定される豊作祈願の祭事で、今年は新型コロナウイルスの影響で中止が続いていた「ショチョガマ」神事を4年ぶりに再開する。行事の継承に取り組んでいる秋名アラセツ行事保存会(窪田圭喜会長)は、10日に行う祭場設営のボランティアを広く募っている。

 

秋名アラセツ行事は収穫に感謝し、翌年の五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈る稲作儀礼。戦中戦後に一時途絶えたが、1960年に保存会が復活させた。明け方の「ショチョガマ」と夕方に行う「平瀬マンカイ」の二つの神事がある。

 

ショチョガマ神事では宮司が祭詞を唱えた後、集落と田袋を見下ろす山の中腹に立てられたショチョガマ(片屋根のわらぶき小屋)に上がった男衆が「ヨラ、メラ」の掛け声で屋根を揺さぶり、日の出と同時に南側に小屋を倒す。最後は倒れた屋根の上で住民らが八月踊りを踊り歌い、翌年の豊作を祈る。

 

祭場設営のボランティアを募る秋名アラセツ行事保存会の窪田圭喜会長(写真中央)ら=8月23日、奄美市名瀬

窪田会長と成海博文秋名区長、隈元信一郎幾里区長は「材木などの資材を急こう配の坂の上へ運ぶため、設営作業は重労働となる。個人や各団体、事業所など多くの方の協力をお願いしたい」と呼び掛けている。

 

作業は10日午前8時~午後5時。男性は資材運搬、女性は昼食作りなどが中心となる。ショチョガマ祭場に直接集合で、途中参加も可。昼食の提供あり。長袖、軍手など作業のできる服装で。

 

問い合わせは電話090(4998)7012窪田会長へ。