若い感性に高評価 ふるさと納税返礼品も検討 徳之島高生の新商品開発
2024年04月21日
子ども・教育
県立徳之島高校の生徒たちが徳之島内外の企業と連携し、地場産農産物を活用して企画、開発した菓子などの一般販売が20日、徳之島町総合食品加工センター「美農里館」で始まった。若い感性が光る新商品に、「お土産にちょうどいい」と来店客の評価も高い。町役場の担当者は「町のSNS(インターネット交流サイト)でも評判が良い。ふるさと納税の返礼品に採用できないか検討したい」と期待する。
生徒による商品の企画、開発は地域人材育成プログラムの一環。日本航空(JAL)、ソフトバンク、LINEヤフーなどと連携した取り組みで、4年ほど前にスタートした。生徒たちは複数のグループに分かれ、商品の企画開発に挑戦。2023年度は地場産食材を利用した菓子や、クリアファイルなどを完成させた。
20日に販売を始めたのは、従来のよもぎ餅のサイズや包装を改良した「よもぎもっちー」(税込み820円)、ミルクや紅茶などに溶かして黒糖の風味を楽しめるコットンキャンディー(綿菓子)「まぁ~いピース」(同200円)、新食感が魅力の黒糖菓子「カリッと黒糖」(同1000円)、生徒らがデザインしたクリアファイル(同300円)。いずれも島内の製造業者らと試行錯誤を重ね、商品化にこぎ着けた。
「カリッと黒糖」開発メンバーの富本哲史さん(総合学科3年)は「黒糖はおいしいけど、味に重たさを感じていたことから、新商品の着想を得た。食感を変えたことで口溶けも口当たりも良くなり、黒糖の香りをより楽しみやすくなった」と話し、出来栄えに自信を込めた。
生徒たちの取り組みを見守ってきた中原智美教諭(37)は、「大人と関わるのが苦手だった子も、開発の過程で積極性が出てきた。(企画や開発に携わる時間は)週に2時間だけ。限られた時間の中で、しっかり成果を出してくれた」と、生徒らの成長を喜んだ。(徳之島総局)