「多文化共生」を体感 県大島支庁で帰国報告 シンガポール派遣の麓さん(大島高2年)

2023年10月17日

子ども・教育

シンガポールでの活動を報告する麓笑幸さん(右)=16日、奄美市名瀬

2023年度県青少年海外ふれあい事業に参加し、9月21日から26日までシンガポールに滞在した県立大島高校2年生の麓笑幸(えこ)さん(17)が16日、奄美市名瀬の県大島支庁を訪れ、帰国報告を行った。麓さんは「英語の勉強以前に、コミュニケーションを取ることの楽しさと大切さを学んだ」と振り返った。

 

同事業は、県とシンガポールの間で2年に1回開かれる交流会議での合意を基に毎年実施。両県・国の友好親善や次代を担うリーダーの育成などを目的としている。県内在住の高校生や大学生が対象。新型コロナウイルスの影響により、海外への派遣は4年ぶりとなった。

 

派遣団員は計7人で奄美群島からは唯一、麓さんが参加。5泊6日の日程でシンガポールに滞在し、現地の青少年との交流やホームステイなどを体験した。

 

この日は麓さんが、シンガポールでの文化交流や鹿児島・奄美のPR活動などについて報告。派遣団員らが作成したTシャツや名刺も紹介した。

 

報告を受けた総務企画部の伊瀬知強部長は、自身も20年ほど前に2年間シンガポールに駐在した経験を踏まえ、「小さい島だが、世界のモデルになるような政策をしている国。多文化での体験を糧に今後もいろいろなことにチャレンジしてほしい」とねぎらった。

 

麓さんは「現地の青少年と英語を使って会話し、通じ合えたことがとてもうれしかった」と笑顔で話し、「学校の探究活動で海外の教育をテーマにしている。多文化共生が実現しているシンガポールで学んだことを生かしたい」と意気込んだ。

 

同事業は相互交流。11月にはシンガポールの派遣団員が約1週間の日程で来鹿する予定。