「目標持って挑戦を」 銅メダリストの宮下さん講演 伊仙町

2022年08月21日

子ども・教育

講演会後の講習会で子どもたちを指導する宮下さん=20日、徳之島ほーらい館プール

【徳之島総局】オリンピック銅メダリストの元競泳選手、宮下純一さん(38)を講師に招いた講演会と講習会が20日、伊仙町の徳之島ほーらい館であった。親子連れなど約40人が受講。宮下さんは自身の経験を交えながら、挑戦すること、目標を持ち続けることの大切さを伝えた。

 

宮下さんは鹿児島市出身で、5歳から水泳を始めた。2008年、日本選手権の100㍍背泳ぎ決勝で2位に入り北京五輪の代表の座をつかんだ。五輪では100㍍背泳ぎで8位入賞、メドレーリレーでは第1泳者を務め、銅メダルを手にした。引退後はテレビの解説者として活躍する一方、日本水泳連盟競泳委員として選手育成にも力を注いでいる。

 

講演会は同館が開催している夏休み短期水泳教室の一環で実施。県水泳連盟、奄美水泳連盟の協力で宮下さんを講師に招いた。講演で宮下さんは「幼い頃は顔を水につけられないほど水が苦手だった」と話し、「私の場合は苦手なことに大きな宝物が隠れていた。得意なことを続けることも大事だが、苦手なことに挑戦することも忘れないで」と話した。

 

さらに中学時代には練習漬けで友達と遊ぶ時間がなくなり水泳が嫌いになった時期があったが、恩師の言葉に励まされ競技を続けたエピソードを紹介。「いろいろな人から掛けてもらった言葉に助けられた。人との出会いを大切にして夢をかなえてほしい」と語った。

 

受講した津曲藍海さん(花徳小4年)は「宮下さんの恩師の『壁は越えられる人に訪れる。お前が壁を越えるところを見たい』という言葉が印象に残った。いつか壁にぶつかった時はきょうの話を思い出して頑張りたい」と感想を述べた。

 

講演後の講習会で、約70人の子どもたちに水泳を指導した宮下さんは「島の子どもたちのキラキラした目が印象的だった」と笑顔を見せ、「離島で暮らすことをハンデだととらえず、積極的にいろんな人と関わりながらそれぞれの目標をかなえてほしい」とエールを送った。