〝夢のシマ〟作りで区長選 志塾生が公約掲げ模擬選挙 龍郷町放浪館

2022年12月20日

子ども・教育

 

選挙の演説動画を作成する塾生ら=18日、龍郷町

こどもの自由図書館「放浪館」(渡伸一郎館長)主催の体験型ワークショップ「放浪館志塾」は18日、龍郷町戸口の同館であった。奄美大島の小学4~6年生18人が参加。「夢のシマを作ろう」と題し、自分たちが思い描く〝夢のシマ〟の区長を決める模擬選挙を行った。児童らは、奄美の自然と文化がつながる理想の集落づくりについて考え、〝夢のシマ〟のトップとなるべく、自らの公約を掲げて激戦を繰り広げた。

 

同塾は2019年に始まり、奄美の自然や文化、アート活動などから、島の子どもたちに「ムズラシャ」(ワクワク)体験の場を創出するのが狙い。月1回の活動を通し、子どもたちの表現や創作、考える力を育む。

 

ワークショップでは、児童らが3、4人のグループに分かれ、選挙に必要なスピーチ原稿やポスター、PR動画などを互いに協力しながら作成。くじ引きで演説順を決め、それぞれの公約や方針、決意などを有権者らに訴えた。

 

投票の結果、公約に「住んでいる人みんなが『笑顔』でいられるシマ」を掲げ、政策の一つに「体の不自由な高齢者らを対象にVR(バーチャルリアリティー)活用による伝統行事への参加・体験」を打ち出した内野歩さん(12)=龍郷町=と、「いつでも自然を楽しめるシマ」で支持を訴え、重点政策「海に行く時などに使える仕事や学校を休める券の発行」が多くの有権者の心を射止めた宮田卓さん(11)=奄美市=が得票同数で当選した。

 

二人は「まさか自分が当選するとは思わなかった。理想のシマの公約が現実の島で実現できればうれしい」と声をそろえた。

 

現在、同塾では2023年度の入塾生を募集中。対象・人数は、新4年生7人、新6年生2人。原則、すべてのプログラム(12回)に参加可能な人。無料。受付期間は22日~来年1月31日。申し込み・問い合わせは、放浪館ホームページhttps://www.horokan.comへ。