シマグチで読み聞かせ 佐仁小

2020年06月20日

子ども・教育

シマグチの読み聞かせに聞き入る佐仁小学校の児童=13日、奄美市笠利町(提供写真)

シマグチの読み聞かせに聞き入る佐仁小学校の児童=13日、奄美市笠利町(提供写真)

   奄美市笠利町の佐仁小学校(花房八重子校長、児童11人)で13日、「シマグチによる本の読み聞かせ会」があった。児童がよく知る絵本を保護者がシマグチ(方言)で読み聞かせる新たな試み。児童らは、いつもと一味違う物語の世界観を楽しんだ。

 

 同校は、毎年6月の土曜参観で保護者が読み聞かせを行っている。シマグチによる読み聞かせは、今年度担当の安住亜由紀さん(40)と福愛里さん(37)が「シマグチ伝承活動に取り組んでいる子どもたちだから、知っている本をシマグチで読み聞かせると、読書にもシマグチにもますます興味をもつのではないか」と企画した。

 

 選んだのは、「はらぺこあおむし」「大きなかぶ」「100万回生きたねこ」の3冊。よく知った物語の聞き慣れたフレーズも、「むずんが まやば ひきたぐてぃ はげー やっと、かぶは ぬけりょうたっと」となり、会場は本を読み終えるたびに拍手と笑顔に包まれた。

 

 6年生の川口貴津実さん(11)は「初めてシマグチでの読み聞かせをしてもらいましたが、楽しくて、シマグチにも興味が湧いてきたので、機会があったら、次もシマグチでの読み聞かせを聞きたいです」と話した。

 

 同校のシマグチ伝承活動の講師を務める安田重照さん(81)は「素晴らしい取り組み。戦後、電気もテレビも何もなかった時代に、私のおばあさんが毎晩のようにしてくれていた読み聞かせを思い出しました。この読み聞かせが、お互いがシマグチに触れたり使ったりする機会になればいいと思いました」と児童らに語り掛けた。