古今の「正月」学ぶ 町さんが民俗学的視点で講話 宇検村・やけうちっ子講座

2023年01月08日

子ども・教育

町さんの解説に熱心に耳を傾ける参加者ら=7日、宇検村

宇検村教育委員会主催「2022年度 宇検村やけうちっ子環境学習世界自然遺産博士講座」の第7弾は7日、同村湯湾の村生涯学習センター・元気の出る館であった。村内の児童生徒ら18人が参加。瀬戸内町立図書館・郷土館学芸員の町健次郎さん(52)による講話「昔のじかん今のじかん~正月」に耳を傾けた。

 

講話は、町さんが調査した村内各集落の正月行事や料理に関する風習を、民俗学的な視点を交えながら「旧暦」(太陰太陽暦)と「新暦」(太陽暦)で比較。また、地元クイズ「大みそかは何と呼んだ?(答え:クンチユル)」や「ブタ以外にあるものを食べる正月って何?(答え:ヒンジャショーガチ/ヤギ正月)」なども出題された。

 

真剣なまなざしでクイズに挑んだ、竹下結人さん=田検=(9)は「今年のお正月はおばあちゃんの家でブタ料理を食べたが、旧正月にヤギ料理を食べることは初めて知った。一つ知識が増えた」と満足の笑み。

 

講話後には、同館併設の歴史民俗資料展示室でノロ(女性祭司)祭祀(さいし)にまつわる道具や装束などの解説があり、参加者は島の伝統文化にも学びを深めた。町さんは「科学ですべてが解明できるわけではない。宇検村の人は、昔も今も、『信じる』ことを大切にしていて素晴らしい」と締めくくった。

 

同講座は、地域の自然や文化、歴史を学び、持続可能な社会の担い手を育成する目的。次回2月18日が最終講座となり、受講者による成果発表が行われる。