大島学区は0・62倍 コロナ対応で書類選考可に 県全体は0・82倍 22年度公立高校出願倍率

2022年02月16日

子ども・教育

【鹿児島総局】県教育委員会は15日、2022年度公立高校入学者選抜学力検査の出願者数を発表した。定員1万1265人に対する出願者数は9192人。出願倍率は平成以降最低だった前年度(0・81倍)に次いで低い0・82倍だった。出願倍率が1倍を割り込んだのは12年連続。大島学区の倍率は0・62倍で前年度(0・58倍)から上昇したが、学区内で出願者数が定員に達したのは、奄美の情報処理科と徳之島の総合学科のみだった。

 

学力検査は3月3、4日に実施する。新型コロナウイルス感染などに伴って試験当日(追加の選抜含む)に試験が受けられない受験生への対応として、今年新たに調査書など書類による選考も可能とした。

 

学力検査を行う70校156学科のうち、定員割れとなったのは63校124学科。前年度比で2校6学科増えた。定員に対する不足数は前年度から55人減って2994人。高校教育課は少子化や私立高校を含め進学先の選択肢が多様化している現状を踏まえた上で、「受験生が昨年より94人増えており、公立高校の受験にチャレンジしてくれることは喜ばしいこと。多くの学校が地道に広報活動を行い、中学生に届いたのではないか」と分析した。

 

学区別の倍率は鹿児島の1・05倍が最も高く、唯一の1倍超。姶良・伊佐0・79倍、南薩0・70倍、大隅0・69倍、北薩0・68倍、大島、熊毛0・56倍と続いた。

学科別では普通科系の0・90倍が最も高く、総合学科の0・57倍が最も低かった。学校・学科別では鶴丸(普通)と鹿児島南(商業)の1・59倍が最も高く、最も低かったのは吹上(電気)の0・08倍。

 

大島学区は定員1026人に638人が出願。連携型中高一貫教育校の喜界と与論のうち、与論は1人が出願している。

 

大島学区の全日制の倍率は0・64倍。▽奄美(情報処理)1・13倍▽徳之島(総合学科)1・00倍▽奄美(家政)0・90倍▽大島(普通)0・83倍▽沖永良部(商業)0・75倍―の順に高かった。

 

出願変更は16日から22日正午まで受け付け、24日に最終出願者数を発表する。

県教委は文部科学省の通知を踏まえた新型コロナ下での受験機会確保のため、感染していたり、濃厚接触者として受験当日に試験が受けられない受験生を対象に昨年同様、「追加の選抜」(3月14日)を設定。さらに、追加の選抜日にもコロナの影響で受験できない場合は、高校側が調査書と志望動機などを記した参考資料を基に総合的に合否を判断する。