小中高生が「一日館長」 書庫など見学、役割学ぶ 県立奄美図書館

2024年04月22日

子ども・教育

公文書に公印を押す「一日図書館長」=21日、奄美市名瀬の県立奄美図書館

「子ども読書の日」(23日)を前に、奄美市名瀬の県立奄美図書館(宮永治館長)では21日、同市内の小中高生が「一日図書館長」に就任した。館長に任命された3人は、カウンター業務や公文書の押印、普段は入ることができない書庫の見学を体験し、図書館の役割と仕事内容へ理解を深めた。

 

館長体験は同館の恒例行事。館長室で宮永館長から委嘱状を受け取った3人は仕事が始まると、緊張した面持ちで公文書の公印押印を体験。子ども向けのおはなし会では、約50人の親子連れの前で手遊びや大型絵本の読み聞かせを披露した。

 

続いて普段は足を踏み入れられない閉架書庫や本の修理を行う作業室を見学。館内には約25万冊の書籍があり、半数以上の16万7千冊が書庫に保管されているなどの説明を受けた。3人は膨大な書籍の数々や貴重な歴史的文献に目を見張りながら書庫を歩いた。

 

最後は本の貸し出し返却などのカウンター業務もこなし、司書の仕事を目いっぱい体感した。

 

体験を終え、佐仁小6年の山下ひらりさん(11)は「本が好きなので、図書館の裏側を知ることができうれしかった。3年生から続けている図書委員の作業をもっと丁寧にしようと思った」。笠利中3年の泉奏音(かなん)さん(14)は「書庫で、好きな作家の初版を見られて感動。初めての読み聞かせも緊張したが、大きな声で話せた。将来は本に関わる仕事も視野に入れたい」とそれぞれ話した。

 

奄美高2年の森田陽向(ひなた)さん(16)は「貴重な体験ができ勉強になった。書庫も、滅多に見られない光景なので、いい思い出に。本の管理方法や図書館の業務を目に焼き付けた」と語った。

 

宮永館長は「これからも一冊の本や文章との出合いを大切に、作者と対話を重ねて。そして、きょう体験したことを家族や友達に話して、奄美図書館の魅力を伝えてください」と語り掛けた。

 

奄美図書館は「こどもの読書週間」(23日~5月12日)に合わせ、来館者や職員による推薦本を紹介。23日~5月19日は一般書、児童書の組み合わせ自由で計10冊まで貸し出す。