島への思い、ラップに 「ワランキャ」プロジェクト 知名町

2024年03月04日

子ども・教育

約100人の観客を前に島や家族への思いをラップで伝えた泰尊さん=3日、知名町

子どもたちの表現力の向上を目的とした知名町のプロジェクト「エラブワランキャ」の今年度最後のイベントが3日、同町のおきえらぶ文化ホールあしびの郷・ちなであった。日置市在住のラッパー泰尊さん(36)が島での出合いを通じて制作した「エラブワランキャ」「南国エレジー」などのラップを披露。未就学児から高齢者まで約100人の観客に島への思いを伝えた。

 

同プロジェクトは、子どもたち(ワランキャ)に、人に何か伝える力を養ってもらうことを目的とした同町の事業。ふるさとまちづくり基金を活用して実施した。

 

プロジェクトでは泰尊さん、鹿屋市在住の映像作家脇村映像さん(42)、鹿児島市在住の記録家山下冗談さん(42)の3人が昨年9月から同町内で、ラップを通じた自己表現などのワークショップを複数回開催。その過程でラップや写真、映像なども製作した。

 

この日は、地元の子どもたちのフラダンス、県立沖永良部高校エイサー部の演舞に続き、泰尊さんがラップを披露。島内の暮らし、風景などを収めた脇村さんのショートフィルム、山下さんの写真展示もあった。

 

子どもたちに向けて泰尊さんは「違和感や直感を信じて生きていきましょう」、脇村さんは「そのままのキラキラでいてください」、山下さんは「やりたいことを一生懸命やろうぜ」とメッセージ。

 

来場した知名町の柴田岬希さん(32)は「娘がラップをしたと楽しそうに話していた。泰尊さんの家族を大切に、島を大切にという思いが伝わってきた」と話した。

 

3人と親交があり、プロジェクトを企画した同町子育て支援課の久保朋寛さん(37)は「子どもたちに知名町に生まれたことを誇りに思い、自分らしくたくましく笑って成長してほしい」と話した。

 

同町では、制作された2曲をエイサーの楽曲や、空港などで無料で使ってもらうことなどを考えているという。