平土野商店街を元気に 活性化へ生徒が企画発表 樟南第二高校

2022年12月21日

子ども・教育

平土野商店街活性化のための企画を発表する商業科3年生の生徒=20日、樟南第二高

【徳之島総局】地元天城町の平土野商店街の活性化に取り組んでいる樟南第二高校(牧園弘光校長、生徒242人)商業科特進コースの生徒46人による企画発表会が20日、同校であった。町職員や商店街から約20人が参加。生徒らはこれまでの研究調査の結果を踏まえて新店舗の整備やイベント開催など、商店街を元気にするためのさまざまなアイデアを発表した。

 

活性化への取り組みは、昨年4月に締結した「天城町と樟南第二高等学校との包括的連携に関する協定書」に基づくもの。同校生徒が学習の一環で町政へ参加、協力することを目的にしており、これまでにも町内に設置するごみ回収ボックスを製作したり、ごみ問題を分かりやすく伝えるための紙芝居や絵本を制作したりするなど実績を残している。

 

今年3月に町役場から「商店街活性化について高校生の意見が聞きたい」と打診があり、商業科3年の生徒が課題研究の授業の一環で取り組み始めた。6月以降、商店街で調査を重ね飲食、広告、環境など計13班に分かれてそれぞれの観点から企画をまとめた。

 

発表では商店街の課題として「廃屋や道路などの危険個所がある」「閉店している店舗が多い」「照明がなくて暗い」などの課題を挙げた上で、「スポーツや音楽イベントを開催して集客を図る」「どんなお店があるか紹介するマップを制作する」「空き店舗を利用したサテライトオフィスの整備」│などさまざまな提言を行い、実現に必要な試算も示した。

 

学生が利用できるカフェの整備を提言した古谷鈴音さんは「保育園の子どもたちへの取材で習い事への関心が高く、調べてみたら天城町には塾や習い事教室が少ないことが分かった」と発案の理由を説明し、「飲食可能で勉強もできる場所があれば学生が利用して集客につながり、私たちの学校生活も充実する。この企画を後輩たちが実現してくれることに期待したい」と笑顔を見せた。

 

商業科主任の山本祥平教諭(39)は「高校生ながら地元の活性化のために頑張って知恵を絞って企画をまとめていた。説明のための動画制作などは私よりもよほど手慣れたもの」と教え子の奮闘に目を細め、「生徒が運営に協力するカフェなどは実現の可能性がある。次年度以降は実現に向けて取り組みたい」と話した。