思い出の一ページ刻む 大島高で体育祭代替球技大会

2020年09月04日

子ども・教育

グラウンドで元気よくボールを追う生徒たち=3日、奄美市名瀬の大島高校

グラウンドで元気よくボールを追う生徒たち=3日、奄美市名瀬の大島高校

 奄美市名瀬の県立大島高校(竹井俊久校長、生徒736人)で3日、体育祭の代替大会「メモリアル球技大会」が開幕した。4日までの日程で、クラスや男女対抗のサッカー、バレー競技を、上部グラウンドと下部グラウンド、体育館で行う。観覧は3年生の保護者に限定。入り口で教諭らによる検温を受け、記名した後、わが子の晴れ舞台をカメラに収めようと、各会場に移動する姿が見られた。

 

 大島高校の体育祭は、出身地区(金久、笠龍、伊津部、上方、中南、下古)で対抗戦を行う。伝統の応援団合戦や百足(むかで)リレー、男子生徒の集団演技「大高エナジー」などで知られる。

 

 今年は、毎年約2千人がグラウンドに密集することを考慮し、新型コロナウイルス感染防止のため体育祭の中止を決定。代替企画として球技大会が実施された。

 

 3日は午前8時50分に校内放送で開会式。全校生徒は各教室に着席し、競技上の注意に耳を傾けた。注意事項として▽応援ではマスクを着用すること▽メガホンでの大声の応援を禁止▽密状態を作らない▽小まめな手洗い・うがいを徹底する―などが伝えられた。

 

 上部グラウンドの男子サッカー会場では、ゴールが決まるたびに応援するクラスメートたちの拍手と声援が響いた。3年の久保雅さん(18)は「大声の声援も送れず、本当はもどかしい。一方で当たり前の体育祭がとても大事だったと気付かされた。球技大会があることに感謝している」と話した。

 

 3年生の息子の応援に駆け付けた奄美市の沖島基太さん(49)は「高校総体も無くこれが高校最後の大会。体育祭とは違うものだけど、息子のプレー姿を最後まで見届けてあげたい」と笑顔で語った。