挑戦の大切さ伝える 創立記念で卒業生が講話 県立大島病院研修医の三島さん 天城町・岡前小

2022年07月03日

子ども・教育

母校の後輩たちへ笑顔で語り掛ける三島さん=1日、天城町の岡前小

【徳之島総局】7月1日に創立126周年を迎えた天城町の岡前小学校(田子山ゆかり校長、児童146人)で同日、創立記念式があった。卒業生で、県立大島病院研修医の三島一乃さん(27)が講話。「今、君たちがやっていることで無駄なことは一つもない。好きな事、興味のある事に挑戦して」と後輩たちにエールを送った。

 

同校は1896(明治29年)7月1日に岡前尋常小学校として創立。毎年7月1日の創立記念式には、卒業生や地域住民の講話を開いている。今年は与名間分校の児童9人も参加した。

 

三島さんは同町出身。与名間分校、岡前小、北中、徳之島高校を経て2016年に鹿児島大学医学部に入学した。医師を目指したきっかけについて「幼い頃、病気でお医者さんのお世話になることが多かった。親戚が難病を患っていたこともあり、お医者さんになって治してあげたいと思った。その後、祖父母の病死で厳しい離島医療の現状を知り、少しでも貢献したいと思った」と話した。

 

夢をかなえるための取り組みとして「学校の勉強以外に特別なことはしていないが、ボランティア活動など、さまざまな活動に参加して視野を広げることができた。みんなも何事も勉強だと思っていろいろなことに挑戦して」と後輩たちを激励した。

 

児童代表の岩山愛辰さん(6年)は「僕には看護師と美容師という夢があります。三島さんのお話で、夢を実現するためにはたくさんの努力が必要だと分かった」と感謝を述べた。

 

三島さんは「母校に来るのは久しぶり。後輩たちのキラキラした目で私の方が元気をもらえた」と笑顔を見せ、「離島医療の向上のため救急医療と総合診療に力を入れている。きちんと知識と能力を磨いて、いつかは徳之島の医療に貢献したい」と新たな目標を語った。