生徒が先生役、復帰運動学ぶ 朝日中生徒会 先人の思いへ理解深める

2022年12月17日

子ども・教育

アクティブ・ラーニングで復帰の歴史について学ぶ生徒たち=16日、奄美市名瀬の朝日中学校

奄美市名瀬の朝日中学校(山宗功校長、生徒278人)で16日、2年生の生徒会役員が1年生を対象に先生役を務め、奄美群島の日本復帰について授業を行う取り組みがあった。生徒会役員6人が1年生88人を対象に、各クラスで授業を実施。米軍統治下の群島の様子や復帰運動の取り組みについて学び、未来に向けて「私たちにできること」を話し合った。

 

アクティブ・ラーニングと呼ばれる生徒主体型の授業。同校で使用する社会科の教科書には、復帰に関し「奄美群島は1953年に返還されました」という1行しか記されていないことから、郷土史への理解を深めようと、3年前に生徒会が主体となり復帰運動を学ぶ授業を開始した。

 

生徒たちは日本復帰の歌や奄美大島復帰記念式典のラジオ録音を聞き「泣いているようだった」「復帰を望む強い思いを感じた」と当時の人々の思いを実感。「もし自分がその立場だったらどうするか」「私たちにできることは何か」などをグループ討論し「奄美のことを誇りに思って生きる」「歴史への理解を深め、まわりの人や後世に伝えていく」などと発表した。

 

1年生の常田日和さん(13)は指導した2年生に感謝し、「今この時も『日本の中の奄美』でいられるのは、先人たちが強い思いで苦労を重ねたおかげ。これから生まれる子たちにも、みんなの思いを伝えられるようにしたい」と発表。

 

指導役を務めた2年生の平碧斗さん(14)は「先輩たちがどんな思いで伝えていたのか、自分たちがやってみてよくわかった」と話した。