療育、もっと知って 瀬戸内町で講演会 古仁屋小

2022年11月27日

子ども・教育

療育のアプローチ方法などを紹介する白浜さん=26日、古仁屋小

瀬戸内町で唯一の療育支援施設「児童発達支援事業所ここ」(通称「ここ園」)=瀬戸内町古仁屋=が2024年度末で閉園することを受け、保護者有志は26日、古仁屋小学校で療育に関する講演会を開いた。瀬戸内町における療育の実態を把握し、今後のサポートを地域全体で考えようとする狙い。約60人が参加し、奄美市名瀬の理学療法士白浜幸高さん(51)の講演に耳を傾けた。

 

療育とは、発達に困難さを抱える子どもたちを「特性」として受け入れ、本人や家族へ社会的支援を行うこと。講演会を主催した「ピンチはチャンス子育て応援会」(勝ひろみ代表)は、ここ園が閉園しても町全体が深く療育に携わり、療育を必要とする人々が途切れることなく支援を受け続けられるよう、学びの機会を増やしている。

 

高齢者のデイサービスと療育を一緒に行う施設「和月」(龍郷町)で統括マネジャーを務める白浜さんは、発達に困難さを抱える子どもたちへのアプローチ方法について、実際に行った動画で紹介。身体の平衡感覚を身に付けさせていく様子や、落ち着かない子どもの行動の理由を探すアプローチと対策などを例示した。

 

またコミュニケーション障がいの特性として、相手の気持ちを想像するのが難しい「自閉症スペクトラム障害」や「注意欠如・多動症」の症例を示し、絵の描かれたカードで段階的にコミュニケーション方法を教えていく方法などを紹介した。

 

白浜さんは「療育は、子どもが問題なのではなく、周りの大人たちが子どもをどう受け止めるかが非常に大事。子どもの笑顔を引き出すためには、まずは自分からほほ笑みかけることが大切」と訴えた。

 

町内から参加した学校職員の女性(33)は「療育が必要な子に限らず、地域も保護者も知っておく必要があると感じた内容だった。常日頃からこういう意識を持って子どもたちと関わることが大事だと改めて思った」と話した。