県本土でも発表スタート 大島特別支援学校が奄美PR 奄美出身者の弁論も かごしま総文

2023年07月31日

子ども・教育

会場での発表を担当した(右から)県立大島特別支援学校の森琉誠さん、三浦櫂里さん=30日、鹿児島市のセンテラス天文館

【鹿児島総局】第47回全国高校総合文化祭(2023かごしま総文)は30日、県本土でも各部門のステージ発表や作品展示などが始まった。鹿児島市のセンテラス天文館では特別支援学校部門を開催。龍郷町の県立大島特別支援学校が動画で島の魅力をPRしたほか、奄美大島出身の生徒による弁論発表などもあり、会場は多くの観客でにぎわった。

 

同校は奄美の島唄を動画で紹介した。映像には高等部の生徒48人が出演。昨年6月末から12月初旬にかけて毎日、歌や三味線の練習に取り組んだ成果を約20分の映像作品として披露した。

 

「朝花節」「イトゥ」「六調」に加え、芦徳集落住民と運動会で一緒に「さんだまけまけ」を踊る様子も収録。会場では学校を代表し、3年の森琉誠さん(17)、三浦櫂里さん(17)が登壇して動画の内容を説明した。

堂々と弁論発表を行う奄美大島出身の福留音亜さん=30日、鹿児島市のセンテラス天文館

発表を終え、2人は安堵(あんど)の表情。森さんは「緊張して練習よりミスする心配もあったが、しっかり声も出せて三味線も弾けた」。三浦さんは「少し緊張はしたが、練習より良い声が出せた」とそれぞれステージを振り返り、「他の学校の方や、観客の皆さんにぜひ奄美に来てもらって、奄美の海の美しさや人の明るさ、優しさを知ってほしい」と語った。

 

鹿児島市の県立鹿児島特別支援学校高等部3年の福留音亜さん(17)=奄美市名瀬出身=は、「伝えたい想い」と題して弁論発表。「障がいは私自身にあるわけではない。車いすでは移動ができない、段差が越えられない。そうした場や環境に障害は生まれる」などと語り、「障がいのあるなしに関わりなく、みんなが夢や目標に向かって努力することができるよう、環境も、みんなの気持ちも、バリアフリーである。そんな社会を一緒につくっていこう」と訴えた。

 

特別支援学校部門は31日も同会場で続開する。